リオオリンピックで吉田沙保里選手が誰もがまさかと思ったオリンピック4連覇を逃し、銀メダルに終わりました。それでもなお輝く吉田沙保里選手は、もちろんすごいことだとは思いますが、58キロ級でオリンピック4連覇を果たし金メダルを獲得した伊調馨選手のことは、すごい偉業にも関わららずやはり、吉田沙保里選手の方が、クローズアップされているとし思えない状況です。
そこで、素朴な疑問です。
吉田沙保里選手と伊調馨選手どちらが強いのでしょうか?もちろん、階級が違うのもあるのですが、単純に考えてです。
そして、伊調薫選手はリオ五輪金メダルで4連覇でも国民栄誉賞はないのかなどを考えてみました。
伊調薫と吉田沙保里はアテネ五輪から金メダルだった!
伊調薫選手と吉田沙保里選手は、アテネオリンピックから金メダルを3回獲得し続けていました。
そして、伊調薫選手と吉田沙保里選手ともオリンピックでは金メダルを取り続けたまま、ともに4連覇をかけてリオオリンピックを迎えました。
そろって金メダルをとり続けてきた伊調薫選手と吉田沙保里選手両選手の結末は非情なものでした。
58キロ級での伊調馨選手はアテネ五輪からの五輪4連覇を達成。
そして、53キロ級の吉田沙保里選手は惜しくも決勝で敗れ、銀メダルに終わりました。
吉田沙保里選手は試合後、
「最後に銀メダルで終わると思っていなかった。悔しいです。」
そして、「申し訳ない」「ごめんなさい」を繰り返した。
何故、吉田沙保里選手だけ国民栄誉賞?
ロンドン五輪でもともに金メダル獲得して、3連覇を果たした伊調薫選手と吉田沙保里選手です。
しかし、表舞台に出るのは、いつも吉田沙保里選手でした。
みなさんの印象度も断然、吉田沙保里選手の方が高いのではないでしょうか。
吉田沙保里選手は、本来の明るい性格と人当たりの良さで、以前よりテレビやイベントへの出演依頼は後を絶たなかった状態です。
伊調薫選手も暗いわけでは決してありませんが、
「レスリング以外の活動に時間をとられてリズムを崩したくない。」
といった考え方でしたので、表に出る部分は吉田沙保里選手になっていたといえます。
その辺は、伊調薫選手もわかっていて、
「沙保里さんに負担がいってしまい、申し訳ないと思う。」
と言っています。
国民栄誉賞を吉田沙保里選手が受賞されたのは、理由としては、オリンピック3連覇ももちろん要素のひとつですが、他に評価されているのは世界選手権10連覇、あわせて世界大会13連覇があります。
オリンピック金メダル受賞がは総じてでモチベーションが低下しがちな中、吉田沙保里選手世界選手権もしっかり出場して勝っています。
伊調薫選手は北京五輪後一時休んでいます。
そして、ロンドン五輪後の世界選手権も出場していません。
オリンピックの成績だけでなく、レスリングの試合に対する姿勢に加えて、そして前人未踏な実績などを総合して吉田選手が評価されての国民栄誉賞であるのではないでしょうか。
伊調薫と吉田沙保里どちらが強い?
伊調薫選手と吉田沙保里選手の2人が公式戦で対戦したのは2001年12月の全日本選手権56キロ級の3位決定戦が最後です。
そのときは、吉田沙保里選手が勝利しています。
その後、伊調薫選手と吉田沙保里選手の階級は、別々にばらけました。
その後、2年前の夏、新潟県の桜花道場で行われた全日本合宿でのスパーリングの練習で伊調薫選手と吉田沙保里選手は、スパーリングをしています。
全日本合宿でのことでした。
その日のことを日本レスリング協会の福田富昭会長は覚えているそうです。
吉田沙保里選手が伊調薫選手の片足をとってタックルする。
しかし、伊調薫選手は倒れません。
どちらも譲らないまま壁に激突し、
「これ以上やったらけがをする」
とコーチ陣が制止して終わったという結末でした。
それ以来、伊調薫選手と吉田沙保里選手は、二度と真剣勝負をすることはありませんでした。
長年、2人を見てきた福田会長は
「心のライバルとして意識はしてきたと思う」
といっています。
階級が違うので一概にどちらが強いとは言えませんが、伊調薫選手と吉田沙保里選手とも
一歩も譲れないほどのライバル関係であり、そして力も
肉薄していたのではないのでしょうか。
伊調薫選手リオ五輪で4連覇も国民栄誉賞はない?
今回のリオオリンピックでは58キロ級女子柔道で伊調薫選手が8月17日、先に金メダルと獲得し、4連覇を果たしました。
先に試合の終わった伊調薫選手は4連覇の次の日18日は、吉田沙保里選手の試合を見守ります。
手に汗握る試合の中、勝利の女神は吉田沙保里選手にほほえみませんでした。
「馨が4連覇して、とてもうらやましくて。私も4連覇したかったけど、できなくて残念です。」
吉田沙保里選手は何度も頭を下げました。
その金メダルを今回も獲得した伊調薫選手は、オリンピック4連覇でも国民栄誉賞はないのでしょうか?
国民栄誉賞は授賞理由がそもそも曖昧です。
国民栄誉賞は、有識者10人が候補を選び内閣総理大臣が決定します。
しかし、その有識者もはっきり言ってよく分からない選出です。
はっきりした基準がないのですね。
吉田沙保里選手は、
オリンピック3連覇+世界選手権10回制覇(合計13連覇)
といったことから国民栄誉賞になりました。
オリンピック3連覇だけといったことでしたら、男子柔道五輪3連覇の野村忠宏選手は国民栄誉賞は、授賞してませんね。
オリンピックだけの成績では、柔道は日本のお家芸ということからも他競技に比べ辛口になる傾向があります。
女子マラソンの高橋尚子選手は女子陸上競技初の金メダルということから国民栄誉賞をもらっています。
今回、伊調薫選手は、途中で休んでいるとはいえ、オリンピック4連覇です。
女子で五輪史上初の4連覇です。
これは、やはり国民栄誉賞ものだといっていいと思います。
今後、この検討はされるのではないでしょうか。
ま と め
今回は、レスリングの伊調薫選手と吉田沙保里選手どちらが強い?といったことから伊調薫選手は、五輪4連覇でも国民栄誉賞はないのかといったことを考えてみました。
ロンドン五輪までは、55㎏級でしたが、55㎏級が無くなったので53㎏級となって出場した吉田沙保里選手は4連覇ならず、銀メダルに終わりました。
もちろん銀メダルでもすごいことなのですが、4連覇をした58㎏級の伊調薫選手の国民栄誉賞はないのかといったことについても考えてみました。
どうしても、吉田沙保里選手の陰に隠れがちな伊調薫選手ですが、女子でオリンピック史上初の四連覇なのですから国民栄誉賞もらってもいいと思いますね。
絶対女王としての、吉田沙保里選手にも頭がさがります。
この吉田沙保里選手のおかげでレスリングが注目してあとから、後輩続々誕生したのは紛れもない事実です。
勝ち続ける重圧といのもすさまじいものがあると思います。
その活躍は国民栄誉賞に相応しいものですね。
ほんとうにありがとうございました。
そして、今回、金メダルを獲得した伊調薫選手にも国民栄誉賞是非、受賞してほしいですね。
追記:このあと2016年10月20日に伊調薫選手は国民栄誉賞を受賞されましたね。
伊調薫選手は紫地の振り袖姿で出席し、父春行さんや、アテネ、北京両五輪レスリング銀メダリストの姉千春さんらも同席されました。
国民栄誉賞の受賞は伊調選手で24例目です。
女子レスリングでは吉田沙保里選手に次いで2人目。
式典後、伊調選手は「身の引き締まる思いがふつふつとわき上がってきた」と喜びを語られています。
2020年東京五輪に向けて頑張ってください!
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