高安関が大関に昇進されましたね。
高安というのは本名でよくお相撲さんがつけるような四股名がついていません。
今後も「高安」といった本名の苗字のままの四股名でいくという理由と「四股名とは?」についてお伝えします。
相撲取りの四股名とは?
■四股名はつけなくてはいけないの?
四股名(しこな)とは、相撲における力士の名前のことですね。
もともとは「醜名」という漢字をつかっていたそうです。
この字の意味は「醜男(しこお)」の「逞しい(たくましい)」というお相撲さんの体格をあらわす意味がありました。
しかしいつしか、お相撲さんが踏む「四股(しこ)」といったこととあいまった、「四股名」という漢字が一般的になりました。
力士は番付に載る前に「前相撲」という相撲があります。
この「前相撲」の時はすべて本名です。
外国人力士の場合でもこの時点では本名で呼ばれます。
番付に名前が載る時には、それが本名であっても「四股名」になります。
本名のままの名前で番付に載せた場合、たまたま四股名と本名が同じということだけのことで、これが「四股名」ということですね。
■四股名を本名から変えるタイミング
そのように番付に載る名前が「四股名」なのですが、四股名を本名から違う名前に変えるタイミングは、新十両昇進がいちばんのきっかけとなることが多いですね。
そのタイミングを決めるのは、ほとんどは師匠になります。
■四股名のつけ方
四股名は、師匠が弟子につけるものというのが一般的です。
つけた方は、
・部屋の伝統をあらわすもの
佐渡ヶ嶽部屋なら「琴」、九重部屋なら「千代」、片男波部屋なら「玉」、春日野部屋なら「栃」などのように部屋ごとに同じ字をつけたりするつけ方です。
・本名が四股名
本名の苗字を使う場合や、下の名前をそのまま四股名として使う場合があります。
もし、本名を四股名にしようとしても、既に同じ四股名の力士がいる場合には、後から入った方が他の四股名をつけて譲ります。
また、文字が違っていても同じ音である四股名も使えません。
もちろん師匠の一存でなく、本人の意向や後援者の方やなんらかの縁のある方などと相談したり、事情により個別それぞれのつけ方があります。
また、四股名はいったんつけても変えることが可能です。
なかなか番付が上がらなかったり、怪我が多かったりして、心機一転を図るときなどに四股名を変える力士も多いです。
毎場所のように四股名を変える力士もいるようです。
■四股名を変えるには?
各場所の千秋楽から番付編成会議までの間に改名届を提出し、編成会議において承認されることによって改名できます。
高安関が大関に昇進も本名で四股名をつけない理由!
高安関が大関に昇進しても四股名を本名の苗字から変えないようです。
その理由は、
「一段ずつ確実にあがっていきたい」
という思いがあるからのようです。
高安の高の旧字が
「髙」からです。
「髙」は「はしごだか」と言うことがあります。
その「はしご」というものにかけて
一段ずつ実力とともに着実に登っていきたい
といった思いがあるのですね。
高安関は自身の本名の名前である
「高安」に思い入れも強いようです。
高安関の父親も 「高安」という苗字にこだわりがあるようです。
「髙安」という苗字は、現在、茨城県、千葉県に多い名前ですが、大阪府八尾市の高安山の付近から発祥とする
紀貫之(きのつらゆき)紀氏の流れを汲む末裔としてなどの由緒ある苗字なようです。
そんな「高安」という名前に誇りもありこの名前を四股名として使われることを喜ばれているのだそうです。
ま と め
四股名とは?と髙安関が大関昇進後も本名と違う四股名をつけない理由につてお伝えしました。
高安関だけでなく、学生相撲出身力士が十両、幕内に昇進しても本名で取り続けることも最近多くなってきていようです。
今まで四股名をつけず、本名もままでいっている人は
45人います。
しかし、大関以上になった方でいえば、まだまだ珍しく、過去に3人しかいません。
髙安関をいれて4人目です。
輪島関
北尾関
出島関
です。
北尾関は、横綱になったときに双羽黒(ふたはぐろ)といった四股名をつけ改名しています。
高安関が大関になってもそのままでいく理由は、一段一段登っていきたいといった高安関の真面目な人柄と「髙安」の苗字への愛着が伺えました。
横綱昇進のニュースも遠くない日に聞けるかもしれませんね。