手紙は相手のもとにやさしさや思いやりを送り届けてくれます。
現代は、スマホなどで簡単なやりとりが多くなっています。
ですのであらためて手紙を書くとなるとかなり敷居が高く感じますね。
しかし、ポイントを押さえれば簡単です。
また、手紙は相手にも特別印象に残りますし、
用件を伝えたりするのにも心温まるコミュニケーションツールとなります。
今回は、手紙の書き方 の基本的
「拝啓」・「前略」・「かしこ」の使い方
書き出し・結びとときに気をつけたい事などをお伝えします。
手紙の基本の構成
手紙の文は、
①前文
②主文
③末文
④後付け
⑤副文
の5つから成り立ちます。
これは、あくまで基本の構成であって
書く相手や
内容によって
簡略化しても問題ありません。
例えば、
お悔みや
災害見舞など
時候の挨拶どころではない場合などは
主文から書きだします。
では、具体的に見ていきたいと思います。
①前文の要素
①-1.頭語(起筆)
頭語と結語はペアで覚えるといいですね。
改まった手紙文以外は、
慣用的な頭語は省略して、
②の時候の挨拶または、
「○○○様」「叔母様」など相手への呼びかけで書き始めても
大丈夫です。
①-2.時候(季節)のあいさつ
女性の普通の手紙では、
①の頭語なしでこの時候の挨拶からはじめると
やわらかな印象の手紙になります。
時候の挨拶文を詳しくはコチラから
↓
時候の挨拶文とは?季語との違いや「~の候」「~みぎり」の使い方
時候の挨拶文一覧【1~12月】ビジネス等でも使える書き出し例文
①-3.先方の健康や安否をたずねる文
手紙の相手に対しての健康状態や安否をたずねるような文をいれます。
ご無沙している場合や相手が年配の場合などは、とくに
「急に寒くなってきていますが、いかがおすごしでしょうか」
「夏のお疲れはでていらっしゃいませんか」
などの文章で丁寧な心遣いをしめすようにしましょう。
④-4.こちらの安否伝える文
③で相手の安否をたずねた後に
こちらの家族の状況などを簡潔に伝えます。
②主文の要素
■起こし言葉
前文のあとにこの手紙の主旨となる文を入れていくのですが、
その導入になる言葉として起こし言葉をいれて流れをつくります。
用件を唐突に切り出すといった感じにならないように起こし言葉を使わずに
自然に主文に入っていくといったことでもOKです。
ですので、使わなくてもいいのですが、
改まった手紙では、
・さて、
・ところで、
・実を申しますと・・・
・この度、
・つきましては、
・ご承知のとおり、
・突然ですが、
・お聞きおよびとかと存じますが・・・。
などがあります。
③末文の要素
③-1.終わりの挨拶
ほとんどの手紙ではこの終わりの挨拶が結びの言葉となります。
一般的な終わりの挨拶は、主文のあとの相手の健康を気遣ったり
するようなやさしい言葉かけの文になります。
例えば、
・日に日に暑さがきびしくなってきました。
お体ご自愛ください。
・厳しい寒さも続きます。
お風邪など召しませんように。
このような感じです。
③-2.結語
結語は、終わりの挨拶の文のあとに行を変え、
下から一、二字分を上げて書いていきます。
「頭語」とセットです。
用途 | 頭語 | 結語 |
・改まったとき |
※謹啓、恭啓 ・謹んで申し上げます |
※謹言
かしこ |
・やや改まったとき | ・拝啓
・一筆申し上げます |
※敬具
・かしこ ・ごめんください |
・初めて出すとき | ・初めてお便りさしあげます
・突然お手紙さしあげる失礼をお許しください |
※敬具
・かしこ ・ごめんください |
・返信のとき | ・お便りありがとうございました
・お手紙拝見いたしました ・さっとくご返事申し上げます |
・かしこ |
・用件にすぐはいりたいとき | ※前略
・前略ごめんください ・取り急ぎ申し上げます |
※草々
・かしこ |
・親しい人へ | ・こんにちは | ・またお便りいたします
・さようなら ・ではまた |
「かしこ」は、女性が書く時の結語です。
また、※印の言葉は女性が使うというのはあまり適していません。
④後付けの要素
④-1.日付
日付けの書き方は、
本文より二文字ぐらい下げて書きます。
通知状などフォーマルな手紙では忘れないようにしましょう。
通常の場合の手紙では年号は省いても大丈夫です。
書き方は、このようになります。
・正式な場合は、
平成○○年○○月○○日
・お祝い事の場合は、
平成○○年○○月吉日
・年賀状は、
平成○○年元旦
○○○○年元旦
④-2.署名
日付の下、またやや左寄りに
本文の行末より一、二字で終わるように書きます。
必ずフルネームで書くようにしましょう。
○○○会社○○課など会社名や所属名などを入れるときは
縦書きの場合は、名前の右肩に
横書きの場合は、名前の左上にやや小さく
書きます。
また、
連名で出す場合は、
年少、下位から
書きます。
家族での連名の場合は、
年長から順番に
書きます。
夫婦は、
夫
妻の順番です。
代筆したときは、
差出人の署名の下に「代」と書きます。
妻が代筆した時には、「内」です。
④-3.宛名
宛名は、
本文と同じ高さかやや下げて
書きます。
また、字の大きさは心持ち大きめに書くといいです。
連名にあてるときは、
高齢、高位の順番で書きます。
そして宛名を連記しても
一つの「様」ではなく、
それぞれに「様」をつけて書く
ようにしましょう。
④-4.脇付け
「御許に」
「御許」
「おんもとに」
などと宛名の左下にやや小さく書きます。
はがきや事務的な手紙では書きません。
この脇付けを改まった手紙で書くと
非常に礼儀正しく、
謙虚な印象の手紙になります。
⑤副文の要素
■添え書き、追伸
宛名から一行あけて、
一、二文字程度下げて書き始めます。
内容は、
主文に書き忘れてことや
簡単な用件を付け加えたいときに入れます。
「追伸」
「二伸」
「P.S」
などを書いて書きますが、
カジュアルな印象になってしまうので、
目上の方への手紙や
初めて出す手紙、
ビジネスで使う手紙では
使わないようにします。
ま と め
手紙は、好きな時に読み返せ味わい深いものです。
日本人は昔から四季折々の花の枝に文を結び付けたりして手紙のやりとりをしていました。
基本的なきまりをお伝えしましたが、
手紙を書くときに大切なのは、
簡潔に、
タイミングよく、
そして
相手を思いやって書くことです。
小さすぎる字や薄い字、くずしすぎた字など読みにくい字は
もってのほかですが、誤字脱字にも気をつけて丁寧に書いていきましょう。