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タックスヘイブン日本人リスト!パナマ文書の意味とセレブの税回避

パナマ文書の存在が出てきてからタックスヘイブン(租税回避地)を利用した富裕層の「税逃れ」が世界で問題になっています。日本人セレブも戦々恐々していたことだろうと思われます。標的になる“日本人セレブ400人、電力会社役員5人との情報もあった。文書に出てくる日本人はやはり、ITなどベンチャー企業の元、現社長や役員が目立ちます。投資家や投資コンサルタントに加えて飲食チェーンや不動産などの実業家、公認会計士や税理士、個人経営の病院長や歯科医院長などの医療関係者、大学教授も名を連ねている。GW明けに全ての個人及び企業のリストが公開されるとしいる。日本でもタックスヘイブンが話題になり、米誌『フォーブス』の「日本長者番付」上位50人のうち少なくとも 4人が税率の低い海外に資産を移していることが明るみになった。


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タックスヘイブン(租税回避地)していた日本人リストとそのやり方

「パナマ文書」といった今まで決して表にはでてこなかった情報がでてきてしまったことによって「タックスヘイブン」が大きく世間の話題になっています。

しかし、「タックスヘイブン」を使った、特に大企業がタックス・コンサルに大金はたいて作った節税スキームは基本的に合法的な節税であります。

タックスヘイブン=悪のイメージが構築されていますが、法令が存在しないエリアではグレーな部分はあるにしてもすべてがそういうわけでもありません。

ただ、どんな人がそういったことをしているのかといったことは気にはなりますね。

そこでタックスヘイブンをしていたといわれる4人の日本人の方々とそのやり方を具体的にみてみましょう。

 

■ユニクロの柳井正ファーストリテイリング会長兼社長 柳井氏 

 

まず、日本トップのユニクロの柳井正ファーストリテイリング会長兼社長です。

柳井氏は、資産額約2兆円といわますが、2011年10月に柳井氏が保有するユニクロの株式(柳井氏が全株保有)531万株をオランダの資産管理会社に譲渡しました。

オランダは要件を満たせば配当金が非課税になります。

オランダの「資本参加免税」制度です。

オランダに居住する法人が、同国または外国の事業体の発行済み株式の5%以上を継続保有すれば、配当と売却益が非課税となる。

15年の配当(1株350円)で計算すると、531万株の配当金は年18億円以上になる。

その制度を利用して日本で株を保有する場合と比べ所得税と住民税を”年約7億円「税逃れ」”していることになります。 

柳井氏は自社株の5・01%をオランダの資産管理会社に保有させています。 

 

■安田隆夫ドン・キホーテホールディングス最高顧問

安田隆夫ドン・キホーテホールディングス最高顧問も、資産額1792億円といわれます。

安田氏も2015年12月と2016年1月に保有する自社株あわせて約1550万株をオランダの自らの資産管理会社に約650億円で売却移転しました。

柳井氏と同じのオランダの「資本参加免税」制度を利用しての「税逃れ」をするといったことです。 

 日本は、租税回避地への資産移転を防ぐため、15年7月1日以降に海外へ移住する人物が保有する株に課税する制度を導入しました。

安田氏は、同制度開始直前の6月26日 に自らの住所を東京都港区からシンガポールに移転しています

そうして、巨額の課税を逃れたとみられます。 その後オランダに株を移したのです。 

安田氏は同9・81%をオランダの資産管理会社に保有させています。 

 


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■ベネッセホールディングス最高顧問福武総一郎氏

2008年11月に資産額1383億円の福武総一郎ベネッセホールディングス最高顧問と妻のれい子氏は、保有する自社の株式1361万株を、総一郎氏が代表を努めるニュージーランドの資産管理会社に譲渡している。

さらに09年12月、総一郎氏は自らの住所も山市からニュージーランドに移しました。 

日本貿易振興機構によればニュージーランド贈与税、相続税がなく個人の所得税率は最高33%です。

日本の最高税率は45%です。

配当金への源泉徴収税は法人の場合28%です。

 

■ユニバーサルエンターテインメント岡田和生氏

資産額1564億円の岡田和生ユニバーサルエンターテインメント(パチンコ機器製造)会長は、自社株5445万株を香港の資産管理会社に保有させています。 

香港の法人税は16・5%で株式配当は対象外です。 

 

パナマ文書とタックスヘイブンとは?

”パナマ文書が”といった言葉が飛び交っていますがそもそもパナマ文書とは、パナマにある法律事務所『モサック・フォンセカ』のPCがハッキングされて流出した機密文書のことです。

「Mossack Fonseca(モサック・フォンセカ)」の過去40年にわたる業務内容が記されています。

この件は世界中のメディアが一斉に報じていることからも、その重大さを感じることができます。

では、パナマなのか?

パナマ文書を理解するためには、まず、タックス・ヘイブンについての意味を確認しておきます。

所得に対して税金を収めるというのは当然の義務です。

もし、この税金を収めなければ脱税として犯罪になります。そして国から追徴課税などのペナルティ、制裁を受けます。

これは日本だけでなく、ほとんどの国でそうなのですが、ごく一部の国では所得税や法人税がない国があります。

これらの国をタックス・ヘイブンと呼びます。

例えば、ケイマン諸島などは有名です。

ケイマン諸島は、人口4万人程度の非常に小さな国なのです。

そして税金などがまったく掛からないのです。

そこに目をつけたのが、巨額の税金支出を抑えたい海外の大企業や富裕層ですね。

ただ、タックス・ヘイブンは、小さな国であるからこそ、それが成り立っているわけです。

海外の企業がそこで実際に仕事をしることによって税金を抑えるというのは現実的に無理です。

そのためにペーパーカンパニーを作りタックス・ヘイブンを経由させることによって、税金から免れるのは可能ではないかと考えたのです。

 

ただ、それを見破れないほど国税当局もバカではありません。

 

たとえ関連会社などをタックス・ヘイブンに作って税金逃れをしようとも、しっかりと各国の税収事情に則って所得税や法人税を徴収されてしまいます。

 

ばれずに済むように見せかけの全く関係のない会社や団体を会社や団体をタックス・ヘイブンに作り、そこへ送金することによって、全く関係ない会社への支出という名目で資金をプールさせておくという手法を編み出したのです。

そうすれば税金を徴収されることはありません。

 

今回、流出したパナマ文書というのは、そのペーパーカンパニーを設立したり管理している法律事務所の顧客情報なのですね。

これを見れば、誰がタックス・ヘイブンに偽りの会社を作り、税金逃れをしていたかが一目瞭然でわかるのです。

 

こうしてタックス・ヘイブンに資産をうまくプールすることによって、マネーロンダリング(資金洗浄)も可能になります。

マネーロンダリングは、そのまま使用すると足がついてやばいお金を、使えるお金に変えるなどをすることです。

とにかく、パナマ文書は、世界中の怪しいお金などの流れが表にでてきてしまうといったヤバすぎな内部機密文書なのです。

 

ま と め

パナマ文書の存在が出てきてからタックスヘイブン(租税回避地)を利用した富裕層の「税逃れ」が世界中で問題になっています。日本人セレブも戦々恐々です。

ICIJ=国際調査報道ジャーナリスト連合は、日本時間の来月10日午前3時、「パナマ文書」の調査対象となっている20万社以上の情報をデータベース化し、公開するとしています。

タックスヘイブンをしていた人に関しては、今回、あげた4人の日本人の他に企業や個人名がどんどん明るみになってくると思います。

ただ、今回の4人に関しても法律などの目をぬった単なる資産移転です。
 
パナマ文書に関しても問題なのは違法な脱税かどうかが判別できない点ですね。

この点は日本の関係機関に改めて調査をして頂く必要がありそうです。

ただ、日本政府はパナマ文書の調査をやらないと表明しているため、実際に違法行為をやっていた証拠があったとしても具体的な調査まで踏み切るかどうかはあまり期待できません。

今後、また動きがあれば、情報を追っていきたいです。