ほとんどの手紙は、時候のあいさつで始めることが多いですね。
書き出しの一言で相手に与える印象が変わります。
ビジネス文書でもそういった四季のうつりかわりがわかるような時候の挨拶をつけることで
美しく礼儀正しい文章を書くことができますね。
時候の挨拶は通常、頭語の後に使われ、季節ごとの美しい情緒を示すことば綴ります。
今回は、時候の挨拶になる書き出しの例文を1月~12月にわけて一覧でお伝えします。
一月(睦月:むつき)時候の挨拶
・新春の候
・厳寒の候
・酷寒の候
・麗春のお喜びを申し上げます。
・お揃いでよいお年をお迎えになったと存じます。
・松の内(七日まで)も過ぎ・・・。
・ふるさとでのお正月はいかがでしたか?
・初便りのペンをとりました。
・お正月気分もやっととれてきましたね。
・寒いに入り(六日頃)、寒さも一段と厳しくなってきました。
・福寿草が新しい年を祝うようにかわいいつぼみを開きました。
・窓ガラスも凍るような寒い日が続きます
・南の方からは梅の便りも聞かれるこの頃
二月(如月:きさらぎ)時候の挨拶
・春寒の候
・余寒の候
・春はまだ浅く
・春とは名のみの寒さです。
・立春も過ぎ
※立春は四、五日頃
・暦の上ではもう春ですが寒い日が続きます。
・ひと雨ごとに温かさが増してきました。
・梅もほころび始めました。
・春は間近になりましたが、・・・。
・吹く風も春めいてまいりました。
・道端の小さな花が春を告げています。
・耳をすますと春の足の音が聞こえてくるようです。
・桃のつぼみもほんのりと膨らみ始めてまいりました。
・寒さもそろそろやわらいできましたね。
・自然んが一斉に春じたくをはじめました。
・あたたかな春が持ちどおしいこの頃です。
・麗月(初花月)となりました。
三月(弥生:やよい)時候の挨拶
・早春の候
・浅春の候
・弥生の候
・水ぬるむ季節
・ひなまつりも過ぎて
・日ごとに春めいてまいりました。
・花の便りも聞かれる頃となりました。
・木の芽もほころび始めました。
・吹く風も春の匂いがします。
・春とはいえ、肌寒い日が続きます。
・卒業式のシーズンとなりました。
・寒気も緩んでまいりました。
・木々の芽も伸び、春気満ち溢れています。
・摘み草の季節となりました。
・猫柳が銀色に膨らんでまいりました。
・日差しもすっかりやわらいでまいりました。
・野山も春霞に包まれて春の色に染まり出しました。
四月(卯月:うづき)時候の挨拶
・陽春の候
・春暖の候
・桜花の候
・春風の季節
・若草萌える季節になりました。
・春真っ盛りです。
・花咲き揃う美しい四月、
・フレッシュな四月が始まりました。
・いよいよ春もたけなわです。
・春らんまん
・○○○(相手の住む土地)の春はいかがですか。
・花冷えの頃
※桜の咲くころの冷え込み
・花曇りの日が続きます
※桜の咲くころ
・葉桜の美しい季節となりました。
・のどかな春日和となりました。
・山菜のおいしい季節です。
・春の雨に若葉もつややかな四月です。
・新一年生のランドセル姿がほほえましい季節ですね。
・我が家の小さな庭にも春の花が咲き揃い出しています。
五月(皐月:さむつき)時候の挨拶
・薫風の候
・惜春の候
・晩春の候
・向暑の候(※7月初めまで)
・新緑の季節
・若葉が目にしみる季節
・木の芽立ちの頃
・すがすがしい青春の季節となりました・
・新緑の光まぶしいこの頃・・・。
・風薫るさわやかな5月となりました。
・吹く風も初夏の臭いを帯びてきました。
・日差しはもう初夏のまぶしさです。
・立夏(六日頃)も過ぎ、
・街路樹も緑の葉を大きく広げています。
・五月晴れの気持ちの良い日が続きます。
・垣根のバラが美しい季節となりました。
・新茶のおいしい季節となりました。
・日ざしも風も夏めいてまいりました。
六月(水無月:みなづき)時候の挨拶
・初夏の候
・梅雨の候
・薄暑の候
・麦秋の候
・向夏の季節
・夏つばめ飛び交う季節
・衣替えの季節
・光る雲がまぶしい季節
・雨上がりの緑がまばゆい季節となりました。
・梅雨の季節にお変わりございませんか。
・さわやかに初夏をお迎えのことと思います。
・梅雨冷えの日が続きます。
・あじさいが日ごとに紫を深めています。
・色とりどりの傘が町中にあふれる梅雨入りとなりました。
・梅雨の晴れ間はもう夏の気分です。
・道行く人の服装も軽やかになりました。
・久しぶりの青空がのぞきました。
七月(文月:ふみづき)時候の挨拶
・盛夏の候
・酷暑の候
・星祭り(七夕まつり)の候
・夏本番
・海や山の恋しい季節
・緑陰恋しい季節
・暑中お見舞い申し上げます。
・くちなしの匂う季節となりました。
・いよいよ本格的な夏を迎えました。
・七夕飾りが町中をにぎあわせています。
・梅雨明けも間近です。
・梅雨も明け、一気に夏がやってまいりました。
・夏の太陽が照り続ける毎日です。
・空地の夕顔が都会にも夏の風情を添えています。
・夏休みももうすぐですね。
・初せみの声が聞かれるこの頃・・・
・炎暑が続きますが、いかがお過ごしですか。
八月(葉月:はづき)時候の挨拶
・残暑の候
・秋暑の候
・晩夏の季節
・立秋の候
・残暑厳しき折
・暦の上ではもう秋です
※立秋は八、九日頃
・暑中お見舞い申し上げます(※立秋まで)
・残暑お見舞い申し上げます(※立秋過ぎてから)
・夕立が暑さをやわらげてくれました。
・暑さもやっと峠を超しました。
・暑さのなかにも、ふと秋の気配を感じます。
・朝夕は暑さもしのぎやすくなってきました。
・虫の音が秋の訪れを告げています。
・空の雲はもう秋の雲になっています。
・暑かった夏、お疲れは出ていらっしゃいませんか。
・夏も終わりに近づいています。
九月(長月:ながつき)時候の挨拶
・初秋の候
・清涼の候
・新涼の候
・新秋の季節
・ぶどう狩りの季節
・いわし雲の美しい季節
・残暑もようやく和らいでまいりました。
・涼風の季節を迎えました。
・日に日に秋色を増してまいりました。
・吹く風の涼しさに秋の訪れを感じます。
・野原には秋の七草も咲き揃っています。
・夏も遠のき、秋の気配がこくなりました。
・草の花に秋を見つけるこの頃、
・ちぎれ雲に旅心を誘われる今日この頃
・長袖のセーターの恋しい季節となりました。
・朝夕はずいぶん涼しくなってまいりました。
・草のそよぎにも秋が感じられます。
十月(神無月:かんなづき)時候の挨拶
・秋冷の候
・清秋の候
・仲秋の候
・紅葉の候
菊の花薫る季節
・秋気みにしみる頃
・秋もたけなわ
・花野の季節
・金木犀の匂う頃
・山よそおう季節となり、
・木の葉も鮮やかに色づいてまいりました。
・さわやかな秋晴れが続きます。
・紅葉だよりが聞かれる頃となりました。
・木々の梢もほんのりと秋色に染まっています。
・日も短くなってまいりました。
・柿の実もあかく色づいてきました。
・秋本番、そちらの紅葉はいかがですか。
・秋の実りが店頭を彩る季節です。
・木の葉が風に舞い始めました。
十一月(霜月:しもつき)時候の挨拶
・晩秋の候
・暮秋の候
・向寒の候
・落ち葉の季節
・紅葉の狩りの季節
・さざんかの季節
・霜枯れの季節
・ひと霜ごとに冬めいてきました。
・朝夕はめっきり冷え込んでまいりました。
・小春日和の穏やかな日が続きます。
・陽だまりの恋しい季節となりました。
・落ち葉が北風に舞っています。
・街路樹のいちょうしきる頃、
・冬の気配が感じられるこの頃
・花屋の店先にシクラメンが並び始めました。
・日ごとに寒さが増してきました。
・枝々もすっかり葉を落としてきました。
・夜寒いが身にしみる頃となりました。
十二月(師走:しはす)時候の挨拶
・初冬の候
・寒冷の候
・師走の候
・歳末多忙の折
・早くも師走の声を聴き
・木枯らしの季節
・年の暮れを迎え
・初氷の季節
・木々もすっかり裸木となっています。
・年の瀬も押しせまってまいりました。
・師走に入り、何かと気ぜわしいこの頃、
・新しい年をお迎えになる準備でお忙しいことと思います。
・今年もあと〇日あまりですね。
・町中にジングルベルのメロディーが流れる頃となりました。
・寒椿のつぼみもふくらんできました。
・今年も静かに終わろうとしています。
・冬の夜空にシリウスが青く輝いています。
・花びらのような雪が舞っています。
ま と め
上手に時候の挨拶を手紙や文章に書くことによって、
文書に季節感を持たせることができるだけではなく、
相手に対する心遣いにもつながります。
今回は、1~12月の一年間の時候の挨拶を一覧でお届けしました。
最初にあげた漢語調の時候の挨拶はビジネス等でも使いやすいと思います。
自身で新しい言葉を作るのもマナー違反ではありません。
関係性によっても変わってきますので、口語調で書かれた書き出し例文等も参考に
書いてみてください。
ただし、季語などの使い間違えには注意しましょう。