「おぼつかない足取り」「足元がおぼつかない」といった言い回しはよく使いますね。
しかし、覚束ない(おぼつかない)という言葉は正確にはどういった意味があるのでしょうか?
ここでは、「おぼつかない」の意味や語源と類語、そして使い方や例文などを詳しく解説していきます。
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覚束ない(おぼつかない)の意味とは?
覚束ない(おぼつかない)の意味は大きく分けるとこのようになります。
1. 信用するには保証がたりない
物事の成り行きが疑わしいこと。
うまくいきそうもないこと。
心もとないこと。
2.不確実性や不確かさをはらんでいる
はっきりしない。
うたがわしい。
かすかに覚えている。
3.頼りにならない
あやふやである。
ようすがはっきりせず、不安である。
しっかりせず、頼りない。
気がかりである。
4.現実視覚的に不確定
はっきり見えないで、ぼんやりとしている。
不審である。おかしい。
疎遠で相手のようすがわからない。
また、最近はあまり使われない意味ですが、
待ち遠しい。
もどかしい。
といった意味もあります。
覚束ない(おぼつかない)の語源は?
現代語の「おぼつかない」の語源は、
おぼ ー つか ー ない
に分けて考えます。
語幹の「おぼ」は、
「朧げ(おぼろげ)」と同じで
「はっきりしない」といった様子をしめします。
「つか」は、
「ふつつか」等と同じ接尾語
です。
「ない」は形容詞をつくる為の接尾語です。
古語型は「おぼつかなし」です。
「おぼつく」といった動詞に助動詞「ない」からなっていると思われることもおおいですが、
「おぼつかない」といったことで一語の形容詞
になっています。
「おぼつく」といった動詞はありません。
「おぼつかない」が、名詞の「様子」を形容するときは、「おぼつかない様子」
古語型では、「おぼつかなき様子」といった使い方になります。
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覚束ない(おぼつかない)使い方・例文
1. 信用するには保証がたりない
昨年並みの収益はおぼつかないであろう。
今の成績では昇給はおぼつかない。
2.不確実性や不確かさをはらんでいる
昨日のおぼつかない記憶をたどる。
根拠資料はおぼつかないところがあった。
3.頼りにならない
足もとがおぼつかない。
おぼつかない手つきである。
4.現実視覚的に不確定
門上の楼に、おぼつかない灯 がともっている。
山の上からのおぼつかない風景
覚束ない(おぼつかない)の類語
1. 「信用するには保証不足」意味の類語
「不確か」、「あやふや」、「危うい」、
「いぶかしい」、「訝しい」、「怪しい」、
「疑わしい」、「心許ない」
2.「不確実性や不確かさ」意味の類語
「疑わしげ」、「あいまい」、「怪しい」、
「いかがわしい」 、「如何わしい 」、「いぶかしい 」
「胡散らしい 」、「 疑わしい 」
3.「頼りにならない」意味の類語
「不確か」、「 頼り無い 」、「心許ない」
4.「現実視覚的に不確定」意味の類語
「茫茫たる」、「 おぼろ 」、「 朧気 」、
「 空漠たる」、「 不分明」、「 幽か」、
「 曖眛」、「 朧々たる」 、「不鮮明」 、「 仄か」
ま と め
「おぼつかない」の意味とは?を中心に語源や類語と使い方や例文を解説しました。
「おぼつかない」の意味は「朧げ」と同じ語幹からくる言葉のようにもともと「はっきりしない」、「頼りない」などと多くのニュアンスの意味する言葉であることがわかりました。
そういった言葉が由来の「おぼつかない」は、一語の形容詞であります。
また、「おぼつく」という動詞は存在しない間違った日本語であることもわかりました。。
よく、間違った使い方で、「まだ、足取りもおぼつきません。」と言い方があります。
これは、「おぼつく」といった動詞があるとした使い方になりますので間違いです。