鼻水やくしゃみなどの症状がでる花粉症に悩む方は多くおられます。
花粉症の多くはスギ花粉が飛び始める2月あたりから春先にかけて症状が出始めますが、
なかには秋頃から症状が出始める方もいます。
秋はスギ花粉が飛んでいないので別の原因が考えられます。
そんな原因として挙げられるのがセイタカアワダチソウとブタクサです。
セイタカアワダチソウは聞きなれない植物ですが、ブタクサと何が違うのでしょうか。
また、本当にこれが花粉症の原因なのでしょうか。
そのあたりをみていきたいと思います。
セイタカアワダチソウとは?ブタクサと違う?
■セイタカアワダチソウとは?
セイタカアワダチソウとは漢字で書くと
「背高泡立草」と書き、
その字の通り、ススキのように背が高い草です。
セイタカアワダチソウは、キク科の植物で開花すると、
可愛らしい黄色の花を咲かせます。
そんなセイタカアワダチソウは今ではどこにでも見られること から、
元々日本に存在していたと思う方もいますが、実は外来種です。
観賞用として持ち込まれたとか、
輸入材木に種が付いていたなど、
広がった由来は諸説ありますが、
今では雑草として生えていることがよくある植物です。
■セイタカアワダチソウとブタクサとの違い
セイタカアワダチソウとブタクサはとてもよくにているので、同じかと間違われやすいのです。
ブタクサも実はセイタカアワダチソウと同じ外来種です。
そして、黄色の花を咲かせます。
こちらも背が高く、
道端に生えやすい
といったブタクサもセイタカアワダチソウとよくにた特徴なので
間違えやすいのですね。
では、セイタカアワダチソウとブタクサはどこが違っているのでしょうか?
一番わかりやすいのが、
セイタカアワダチソウの方が濃い黄色の花を咲かせます。
そのため、セイタカアワダチソウとブタクサの
両者が並んでいると違いがよく分かります。
セイタカアワダチソウ
ブタクサ
■セイタカアワダチソウは、なぜ群生してしまうのか?
セイタカアワダチソウの特徴的なこととして
それは何故かというと、
セイタカアワダチソウの育つ土地には、
他の植物が育たないことがあるからです。
なぜ育たないかというと
セイタカアワダチソウには、
「アレロパシー」という作用 があるからです。
アレロパシーとは成長を抑制したり、虫を防ぐことを言います。
セイタカアワダチソウの場合は
地中に伸びた根からアレロパシー物質を出すことにより、
他の種子やの発芽を抑制してしまい ます。
セイタカアワダチソウ自身の種子も抑制するといったこともあるようです。
そうした特性により、セイタカアワダチソウの繁殖している土地では他の植物が育ちにくいのです。
花粉症の原因になるのは、セイタカアワダチソウorブタクサ?
■秋の花粉症の原因
セイタカアワダチソウとブタクサには他にも大きな違いがあります。
それが花粉症アレルギーの原因になるかどうかということです。
秋頃の花粉症アレルギーの原因は実は
「ブタクサ」なのです。
セイタカアワダチソウで花粉症は生じません。
なぜかというと、
セイタカアワダチソウは「虫媒花」だからです。
「虫媒花」とは、
虫が蜜を吸いにきた時に体に花粉をつけることで他の花に運び、受粉をすることです。
つまり、セイタカアワダチソウは、
風で花粉が飛ばされるということが無いので、
花粉症を起こさないのです。
一方、ブタクサは、風媒花です。
ブタクサの花粉はスギよりも小さく、風によって飛ばされます。
飛ばされたブタクサの花粉は、
気管支に入り込みやすく、
花粉症アレルギー症状 の原因となってしまうのです。
このようなことから、
春から秋にかけての花粉症アレルギーは、
セイタカアワダチソウではなく、ブタクサが原因と考えられます。
■ブタクサでの花粉症との併発注意の果物過敏症
そして、ブタクサで花粉症が生じる人は注意しなければいけないことがあります。
それが果物過敏症です。
果物過敏症は、食物アレルギー症候群ともいわれ、
果物や野菜を食べた時に口の中にかゆみが生じたり、
目が腫れる
ような症状がでます。
果物過敏症は、
重症化すると気 管支喘息を引き起こしてしまう場合もあります。
ブタクサでの花粉症と果物過敏症が併発してしまうのかというと、
ブタクサの花粉を構成しているタンパク質が
果物や野菜のタンパク質と似た構造
をしているからです。
そのため、ブタクサ花粉症をかかえており、
果物を食べた時に口の中に異変を感じたら、早めに受診することをおすすめします。
セイタカアワダチソウの効能は?
セイタカアワダチソウは、
花粉症のアレルギーの原因になるどころか、様々な効能があります。
まず、
体内の毒素を排出する作用や
アトピーを改善する作用
がなどあります。
その他にも
喘息や
胃腸病にも効果があると言われています。
使い方としては、
お茶や
オイル、
入浴剤に利用していきます。
特に入浴剤の場合ですが、
アワダチソウと言うくらい泡立ちが良いのです。
セイタカアワダチソウをいれたお風呂に入浴することで
アトピーによるかゆみを抑制できたり、
花粉症の症状を抑制
できるようです。
アトピー性皮膚炎で悩んでいるけど、
ステロイド剤は使いた くないという方におすすめの緩和法です。
ま と め
セイタカアワダチソウは秋の花粉症の原因と思われがちですが、実は違っていたのですね。
秋の花粉症の原因は、セイタカアワダチソウに似たブタクサの花粉が原因でした。
しかも、セイタカアワダチソウには花粉症やアトピーの症状を抑制する効果があったとは驚きです。
市販 の入浴剤にもセイタカアワダチソウにの成分が含まれているものもあるので、
肌のかゆみや炎症で悩んでいる方にはおすすめです。
また、花粉症の方にはセイタカアワダチソウのお茶も効果的です。