韓国の第19代大統領に文在寅(ムン・ジェイン)氏が就任しましたね。
前大統領の朴槿恵(パク・クネ)氏の罷免に伴う選挙だったために通常は2カ月近い政権移行期間もなく、大統領任期が開始されました。
文在寅氏の妻である奥さんはファーストレディになるのですね。
文在寅氏の妻や子供や家族と経歴や就任後の公約と対日本政策はどうなるかや「勝利宣言」の全文などについてお伝えしたいと思います。
文在寅氏(ムン・ジェイン)の経歴
文在寅(ムン・ジェイン)氏はどんな人なのでしょうか?
経歴を見ていきたいと思います。
名 前:文在寅(ムン・ジェイン)
生年月日:1953年1月24日(64歳)
身 長: 172cm
血 液 型: B型
出 生 地: 慶尚南道 巨済(キョンサンナムド・コジェ)郡(現在の巨済市)
出身小学校:釜山の南港(ナマン)小学校
出身中学校:慶南(キョンナム)中学校
出身高等学校:慶南(キョンナム)高校
出身大学:慶煕(キョンヒ)大学校法科卒業
■貧しい幼年期
文在寅氏の両親は、1950年開戦の朝鮮戦争で、北朝鮮の咸興(ハムフン)市の興南(フンナム)地区から脱出した避難民です。
10万人近いくらい大量の民間人がアメリカ軍の輸送船に乗って脱出したのです。
文在寅氏が生まれたのはこの3年後です。
こういったことから、家庭はとても貧しく、学校に弁当をもっていくこともできないような幼少期を送ります。
学費をはらうこともできずに学校を追い出されたこともあるようです。
■学生運動で逮捕!
そんな中でも勉学を続け、慶煕(キョンヒ)大学校といった幼稚園から大学院まである名門私立大学に入学し、卒業するといったのはよほどの頭脳と決意がなれければできないことですね。
そんな、思いで努力し受験戦争にも打ち勝ち、入った大学で、
学生デモに参加し、逮捕されるといったことも経験します。
文在寅氏が大学3年の時のことです。
当時の朴正煕(パク・チョンヒ)政権に反対してのデモでした。
デモの先頭に立ってといたことなのでこのころからリーダー的な性格が垣間見れますね。
そして、兵役を経て大学に復学し、司法試験の2次試験を前に再び収監されます。
そして、なんと拘留中に司法試験に合格します。
ともかく、「やるといったらやる」という信念の人という印象が強くのこりますね。
■盧武鉉氏との運命の出会い
釈放後に司法修習を経たのちの運命の出会いが文在寅氏に訪れます。
当時、弁護士をしていた後に大統領となる盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏との出会いです。
1982年のことでした。
そして、盧武鉉氏の弁護士事務所に入り、民主化運動にも加わりました。
その盧武鉉氏が、2002年大統領選に当選します。
それにともない、文在寅氏も青瓦台(大統領府)に入り側近としてメキメキと頭角をあらわしてきます。
盧武鉉政権の後期には大統領秘書室長といった、かなり重要な役割を果たしています。
2004年に盧武鉉氏の退陣後は再び弁護士として活動しています。
そして、2009年の盧武鉉氏の死去により、再び政治の世界に復帰します。
それから盧武鉉財団の理事、そして理事長を務めたことで2012年の大統領選候補者となりました。
2012年の際には、朴槿恵氏に接戦の末敗れました。
それから今回、朴槿恵氏の罷免によっての再度、大統領選出馬し、当選します。
なぜ文在寅氏がか大統領選に勝利したのか?
なぜ今回の韓国の大統領選で文在寅氏が当選したのでしょうか?
■経験値が他の候補者に比べ高かった
文在寅氏は、先ほど経歴で紹介したとおり、弁護士の出身であります。
そして、故盧武鉉(ノムヒョン)元大統領の側近で、盧政権では大統領秘書室長も務めた経験があります。
2012年の前回選挙で朴前大統領に敗れたものの、知名度はとても高かいものでした。
中道系の野党第2党「国民の党」の安哲秀(アンチョルス)氏などの他の候補にくらべ実際に政権内にいた経験値が任せても安心できるといったことが支持につながったのです。
■若者層での圧倒的な支持があった
韓国の若い人達の失業率が高くなかなか就職が決まらないといった現状があります。
文在寅氏はそういった不満に対し、「公務員を17万人増やす」「公共事業を増やす」といった具体的なことを言ってその現状を打破してくれそうといった期待感をもたせることに成功しました。
そして、コネがないと就職できない縁故主義が主流である韓国社会に庶民的なイメージで気持ちをわかってくれそうな文在寅氏にとにかく現状を変えてほしいといった切実な思いが圧倒的な支持につながったのですね。
■緊迫した北朝鮮問題が逆に追い風
この大統領選中もいろいろ仕掛けてくる北朝鮮によって、緊迫した状態が続いています。
これも文在寅氏が2位にも大差をつけての勝利につながったのではないかと考えられます。
兵役のある韓国の人にとって戦争が起こるというのは、直接的に戦争に自分がいくかもしれないといったことにつながります。
そんな現実の中では、「戦場に行くのはいや!」「対話的解決をしてほしい!」といった思考になるのではないでしょうか。
そういったことから、北朝鮮に対して融和政策を明言している文在寅氏にとって北朝鮮問題は、逆に追い風になったのではないでしょうか?
これらのような理由もあって選挙戦に入ってからは世論調査で支持率トップを譲らない安定した戦いぶりでの当選となったのではと考えられます。
韓国国民が文在寅氏に期待すること
韓国では李明博政権、朴槿恵政権と保守政権が続いてきたが、9年ぶりに革新系への政権に交代しました。
そのことからもみえる韓国国民が文在寅大統領に期待することはどのようなことでしょうか?
まず、この大財閥だけが大儲けしているような
不公平社会構造を何とか打破してほしいといったこと
そして
生活の向上や経済の立て直し
でしょう。
一部の財閥などが富を独占している不公平感が限界に来ていた末の革新系の大統領の誕生劇だったんでしょう。
庶民的なマンションに済み、そして決して恵めれた状況で育ったのではない文在寅氏だから自分たちの状況を真に理解してくれるのでは、といった社会の構造を根幹的に変えてほしいといった思いなのですね。
文在寅氏の妻や子供や家族のこと
文在寅(ムン・ジェイン)氏の奥さんは金正淑(キム・ジェイウォンスーク)さんといいます。
生年月日は1954年11月15日
ファーストレディとなる奥さんは文氏より1歳年下ですね。
子供さんは、息子さんと娘さんの男女ひとりずつおられます。
息子さんはご結婚もされているそうですが、お孫さんがいるかまではわかりませんでした。
奥さんとの出会いは、大学の合コンで知り合ったそうですね。
そして、学生運動のさなか細粒ガスで倒れている文氏を奥さんが介抱したことから付き合いが始まり、7年間の交際をへて結婚まで至ったようです。
学生運動でのカップルができ、結婚するということはよくあることのようです。
その奥さんは今回の大統領選挙では選挙にでる以前から有権者と一緒に温泉に入る
などして親密性をたかめ、
話を聞いたり、お取り寄りなどが多い福祉施設などまわるなど
地方都市などの文在寅氏の支持をかためるべく内助の功がめだったようです。
そのようなしっかりものの奥様と文氏はとても仲がよく、ラブラブのカップルなそうですね。
文在寅大統領公約
日本人にとって気になる文在寅氏の公約は
慰安婦問題については、
・日韓合意の見直しや再交渉をすすめていきたい
そして軍事に関しては
・軍事情報包括保護協定(GSOMIA、ジーソミア)についても見直ししたい
といっています。
公約したからといってそのとおりになるといったことではありませんが、これは日本にとって頭の痛いことではあります。
アメリカの高高度迎撃ミサイルシステムTHAAD(サード)については、
韓国に配備する件については
・北朝鮮が核開発・核兵器の能力を高めた場合は容認する
しかし、北朝鮮が核開発を放棄するなら
・THAAD配備の保留や撤回もある
としています。
また、韓国内について
給食の全面無償化も公約の1つに掲げるなど、文在寅氏の幼年期の貧しかったことによる経験によってあげられていました。
文在寅氏「勝利宣言」全文
5月9日深夜、当確になった文在寅氏のソウル中心部の光化門広場で行った「勝利宣言」の全文です。
愛する国民の皆さん、こんばんは。文在寅です。ありがとうございます。
正義感あふれる国、統合の国、原則と常識が通じる国らしい国をつくるため、共に行動してくれた偉大な国民の偉大な勝利です。一緒に競った候補たちにも感謝と慰労を伝えたい。新しい韓国のため、その人々も一緒に手をつなぎ、未来のため、一緒に進みます。
明日から私は、国民みんなの大統領になります。私を支持しなかった人たちにも仕える統合大統領になる。尊敬する国民の皆さん。国民の切実な希望と念願を決して忘れません。
正義が直ちに通じ、原則を守り、国民が勝つ国を必ずつくります。常識が常識として通じる国らしい国を必ずつくります。力を尽くし、新しい国を必ずつくります。
国民だけを見て、正しい道を進む偉大な韓国、正義の韓国、誇らしい韓国、堂々とした韓国、その韓国の誇らしい大統領になります。ありがとうございました。
文在寅大統領の対日政策はどうなる?
従軍慰安婦問題については、
これまで
「日本の法的責任と公式謝罪が盛り込まれていない協議は無効だ」と主張した発言もあり、
「正しい合意ができるよう日本との再交渉を求める」と述べています。
しかし、文在寅氏は、かなりの現実主義者だといいます。
このような対日本への政策もやみくもに韓国の国際的な非常識さを露呈していくようなことをしたり、日本を全面的に敵に回しては、北朝鮮問題もそして、対米国にも問題がおこってきます。
そのうえ日本からの支援も協力ももらえないといった状況を迎えるようなムチャクチャなことは言わないのではないでしょうか。
きわめて冷静な性格であるといった文在寅氏の今後の動向に注目です。
ま と め
今回、韓国の新大統領になった文在寅(ムン・ジェイン)の妻や家族と経歴と就任後の公約と対日本政策などについてお伝えしました。
保守層にも支持を広げたことにより、中道系の野党第2党「国民の党」の安哲秀(アンチョルス)氏、朴政権で与党だった「自由韓国党」の洪準杓(ホンジュンピョ)氏らに勝利し、革新系の政権が誕生しました。
任期は5年です。もうすでに始まりだした、新大統領文在寅氏がどういった色を打ち出してくるのか今後に注目です。