「手をこまねく」といったことばの意味と使い方と
例文や類語そして、
「こまぬく」「こまねく」どちらが誤用なのかなどをお伝えしていきます。
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「手をこまねく」の意味
「手をこまねく」の意味は、
1. 腕組みをする。
2.何もせずに傍観すること
なすすべなく見ているしかないこと
といった意味になります。
今はこの意味ではあまり使われませんが、もともとの語源である
「中国で行われたあいさつの方法で両手の指を胸の前で組んで敬礼する。」
といった意味もあります。
「手をこまねく」は、そうした意味の中で1.と 2.のうちどちらかというと
2.の意味の手を組んだままでいて何も手出ししないことから「何もせずに傍観する」という意味の慣用句としてよく使われています。
そうした「手をこまねく」ということばですが、
最近は、本来の意味ではない「準備して待ち構える」という意味で使われることも多くなっています。
本来の意味で使われているより、
こちらの「準備して待ち構える」意味の使い方の方が多くなったとまでいわれているぐらいです。
これは、「こまねく」の「まねく」の部分が「招く」と同じ音になることにより、
「手招きする」というようなイメージで捉えられてきたことから、意味が転じていったようです。
ですので、
「手をこまねいて待っていた。」
という使い方などして
「早く来いと手招きするような気持ちで待ち構えていた。」
といった意味として普通に通じているということがあります。
ですが、みてきたように本来の意味ではそのような意味はないのです。
「手をこまねく」の使い方や例文
では、「手をこまねく」の使い方として「何もせずに傍観する」の意味の例文をいくつかあげてみます。
・彼のあまりの傍若無人ぶりに周囲の人は手をこまねいていた。
・先生は、手をこまねいているばかりで彼を助けようとしない。
・手をこまねいているうちに手柄を横取りされた。
・何も分からず、手をこまねくばかりだった。
・川が氾濫していくのまのあたりにしても手をこまねいているしかなかった。
この傍観の意味の「手をこまねく」は、手を出す能力があり、かつ出すべきなのに、傍観しているといった、必ずしも傍観している事実に対しては非難の気持ちが含まれているとは限りません。
また、単に手が出せないでいる傍観状態という意味にも使われています。
「手をこまねく」の類語
傍視する、
傍見、
腕をこまねく、
黙視する、
無策である
座視、傍観、
指をくわえる、 高みの見物 、
洞が峠を決め込む、黙認 、
対岸の火事、
高みの見物、
静観
「手をこまねく」の類語は、意味からいうといったような言葉が出てきますね。
「手をこまねく」は誤用で「手をこまぬく」なのか?漢字は?
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手をこまねくの「こまねく」は「こまぬく」
が本来の正しい形です。
「こまぬく」とは、手を胸の前で合わせている動作、仕草
を表しています。
漢字は「拱(こまぬ)く」です。
では、
「手をこまねく」と使うのは誤用なのでしょうか。
先ほどいった「両手を胸の前で組み合わせる、腕を組む」とか
「(なにもせずに)傍観する」という意味の動詞として
「手を(腕を)こまねく」というように、ほとんどの人が自然に使ってます。
むしろ、「こまぬく」などという言葉自体を使うこと自体されていないですね。
「こまぬく」の方が本来の伝統ある正しい言葉だというとびっくりされる方も多いです。
言葉は時とともに変わるものです。
そもそもは、国語辞典でも「こまねく」を引くと、「こまぬく、の訛り」となっているものが多くありました。
「こまねく」は独立した見出しにさえなっていなかったのです。
その代わりに、「こまぬく」の項で「口語形では、こまねく、とも」と付記されていたりしていまいした。
しかし、実際は「こまねく」と使う人が圧倒的に多かったのです。
ここまでなると誤用の域を脱した状態ですので、「手をこまねく」が間違いとはいえなくなっています。
国語辞典でも「こまぬく」のみを見出しにしているものはあまりなくなりました。
「こまぬく」を主見出しに使い、「こまねく」も見出しにしたり、「こまねく」のみを見出しにしているものもでてきました。
そういったように「こまぬく」は、本来正しいことばであったが、日常的でなくなったことばで「こまぬく」はすでに、辞典の中にのみ見出される語になったのですね。
言葉は変遷していくものですね。
ですので現在は、「手をこまぬく」も、「手をこまねく」も誤用ではなくどちらも正しい使い方といえます。
ま と め
「手をこまねく」意味や感じと使い方や例文や類語と「手をこまねく」「手をこまぬく」はどちらが誤用なのかなど見ていきました。
「手をこまねく」ということばは、本来はは「手をこまぬく」が本来使われていたものですね。
現在は、「手をこまぬく」も「手をこまねく」もどちらも間違いではないといったことのようです。
意味も本来の意味よりも「準備して待ち構える」という意味で使われる方が多くなったり変化してきていることばです。
日本語は、本来の漢字でなく音からくるイメージによって勘違いして使われているうちにそれが正しい意味といったことにもなっていくことが多いですね。
他にもそのようなことに変化していったさまざまな言葉がありますのでまた参考にしてみてください。