ことばの意味や使い方

「全然大丈夫」意味と正しい使い方!ビジネス文や敬語として間違い?

全然大丈夫 意味 正しい使い方 ビジネス 敬語

「全然大丈夫!」といった言葉使いますか?使いませんか?

問題なく使っているという方と、

違和感がある、間違っている表現では?と思われている方とあることばですね。

今回は、「全然大丈夫」の意味と正しい使い方や

ビジネス文で使うにはどういった言葉に言い換えたらいいのかや敬語にするとどうなるかなどとも間違った使い方はなになのかなどみていきたいと思います。

 



スポンサードリンク
 

 

「全然大丈夫」の意味

全然大丈夫 意味 正しい使い方 ビジネス 敬語

「全然大丈夫」の意味からみていきます。

全然 + 大丈夫

「全然(ぜんぜん)」は副詞です。

意味は、

1.「まったく、まるで、少しも、まるっきり、」

あとに打ち消しや「ちがう・別だ」など否定的な意味の表現をのことばが続くことで成立する

2.「完全に、すっかり」

です。

 

そして、「大丈夫」の意味とは、

「まちがいがなくて確かなさま」

「あぶなげなく、安心していられる」

です。

ということで、

「全然大丈夫」といった意味は、

「まったく、(心配なく)安心して任せられる」

「まったく、問題がない」

といった意味になると思います。

 

「全然大丈夫」は間違っているのか?正しい使い方は?

全然大丈夫 意味 正しい使い方 ビジネス 敬語

しかし、この「全然大丈夫」の使い方については、

かなり違和感を持つ方も多いと思います。

それは、「全然」の使い方は、1.の意味のときの

あとに打ち消しや下に打ち消しの言い方や否定的な語を伴って

「まったく。まるで。少しも。まるっきり。」

といった使い方のみが正しい使い方だといったことの認識によるものだと思います。

「全然~ない」の形で全否定を表す使い方です。

この「全然」の使い方は、第二次世界大戦後の現代語でもっとも一般的な用法でした。

いまも学校教育では、

「全然~ない」というように

「全然+ない(否定表現・打ち消し)」

が呼応するように指導がされています。

しかし、 そもそも日本に入ってきた当初の用法

否定表現を伴わなくても「すっかり、ことごとく、完全に、全面的に、残るところなくすべて」といった意味に使うといったものでした。

明治時代の文学作品など明治時代から戦前までの近代語にはこの「全然」の使い方の表現は多く見られます。

夏目漱石も使っていた伝統的で「正しい」表現なのです。

といったように「全然」が否定の言い方でなければならないという根拠は歴史的にみると存在しないのですね。

ですので「全然」のあとには、肯定・否定どちらの表現も使ってもいいといったことになります。

そのことからいうと

「全然大丈夫」といった使い方は正しい使い方であるといえます。

 

 

 

「全然大丈夫」ビジネス文で使ってもいいのか?



スポンサードリンク

といったように「全然大丈夫」は使い方としては正しいといったことだといいました。

しかし、

ビジネス文で使ってもいいのでしょうか?

また、敬語に言い換えるとどういったことになるのでしょうか?

先程いったように「全然」のもともとの使い方からすると、あとに肯定・否定どちらの表現も使ってもいいといいましたが、

あとに打ち消しの言い方や否定的な語を伴って

「全然書けない」「全然できない

というような使い方するものだと教わってきた方も多いかと思います。

ですので、近頃の使い方である

「全然おもしろい」「こっちの方が全然大きい」など、

肯定的に使われることについて違和感を持つ方も多いです。

国語辞典によってもこの使い方は、「かつて使われた用法である」といったり、

俗な用法とするものもあるようです。

1960年より指導要領にも

「全然は否定語を伴う」と明記され、それ以降の学校教育では

「全然+否定語」と教えるようにとされています。

といったことからもビジネス文では、

やはり「全然」は否定表現と呼応した使い方をした方がいいかと思います。

参考書でも全然のあとには打ち消しを伴うものである、肯定表現で用いることは

「好ましくない」「避けるべき」などとされています。

中学高校受験や採用試験、各種検定、資格試験、レポート、論文なども「全然+肯定表現」で用いることはまだ避けたほうがよさそうです。

ということから「全然大丈夫」といった「全然+肯定」の使い方はビジネス文では使わない方がいいですね。

「全然大丈夫」を敬語に言い換えるとすると?

では、「全然大丈夫」の意味を敬語にするとどうなるのでしょうか?

そのまま敬語にすることはありませんが、

会社で取引先や上司などに使うとする場合に

「全然大丈夫」を敬意をこめて言い換えるとすると

何ももんだいありません。

全く問題ございません。

これで刺し使いございません。

こちらでかまいません。

この案で結構でございます。

状況によってこのような使い方になるのではないのでしょうか。

 

 

「全然」の間違った意味・使い方

全然の使い方として

全然の後に必ず、否定的表現とするのか肯定表現が来るのがについては、

整理すると

「全然+肯定」は

そもそも「使えるものであった」→

戦後は、「否定的表現を伴わないと使わない」→

現在は「使っても間違いではないが違和感がある人もいる」

といったことでしょうか。

しかし、最近

ほかとくらべて、人の意見とちがっているといったことにより、

「非常に、とても、断然」といった意味として使われることがよくみられます。

「全然」には「全然おもしろい」

で非常におもしろいを意味するといったことでしょう。

この使い方に関しては、新たに広まっている使い方ですが、

本来、「全然」にはそのような意味はありません。

「全然」の場合はあとが否定か肯定かというのは、別にして本来は、「すべて」というニュアンスを含む意味で使われています。

 

しかし、「非常に、とても」の意味はもともとないものです。

そういったことから「非常に、とても、断然」といった意味は、まだ、俗用としてとあるかもしれませんが、

間違った使い方になるのではないかと思います。

ま と め

「全然大丈夫」の意味や「全然」の正しい使い方やビジネス文や敬語として使えるのかや間違った意味とはなどお伝えしました。

「全然大丈夫」の使い方は、時代によってかなり変化していることがわかりました。

よく耳にする「全然、大丈夫」に違和感を感じる方も、否定を伴わない「全然」の使い方は最近だけのものではなく、実は本来「全然」はそのような肯定敵でも否定的でもいい使い方であったと知っていると少しは気持ち悪く感じないかもしれませんね。

現在は「全然~ない」を規範的、「全然大丈夫」を通俗的とするのが一般化しているともいわれています。

ビジネスの場面などは「全然+肯定的表現」は使わないなど使い分けするといいですね。