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内のしと外のしの違いと使い分け方!お中元・お供え・引き出ものは?

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お中元やお歳暮、お供えものや引き出ものなど贈答品を用意するときにつける熨斗(のし)ですが、内のしと外のしの違いを意識しされていますか?

そもそも今まで、熨斗といっていたのは何をさしていたのでしょうか?

熨斗(のし)とは?といったことから内のしと外のしの違いと使い分け方をみていきます。



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のし(熨斗)ってそもそも何なのか?

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■熨斗(のし)は鮑だった!

熨斗(のし)は、祝儀袋などの右上にある飾りのことをいい、

「のし鮑(あわび)」の略です。

もともと熨斗鮑は、

鮑を熨(の)して乾燥させた保存食でした。

熨斗鮑は、鮑の肉を薄く削いだものを干して琥珀色の生乾きになったところで

竹筒で押して伸ばし水洗いと乾燥、そしてまた押して伸ばす

といったことを何度も繰り返して作るといったとても手間のかかったものです。

ちなみに漢語で「熨斗」は「ユンドウ」とも読みます。

「熨」=熱でしわをのばす+「斗」=ひしゃく、

からきたことばで、

昔のアイロンである火熨斗(ひのし)のことをいいます。

現代中国語でも、熨斗の意味はアイロンだそうです。

なぜそのような

熨斗鮑を飾りとしたのかというと

熨斗は延寿につうじ、

鮑は不老長寿の薬ともいわれ、

長寿をもたらす食べ物といわれてきました。

そうしたことや

鮑の貴重性から熨斗鮑は古くより長寿の象徴で縁起物

とされ、お祝い事には必需品でした。

そのように神饌(しんせん)として

神社や神棚に備えられるものとしてや縁起物として贈答品にそえられたり、

伊勢神宮に奉納されるなど熨斗鮑は用いられてきたのです。

そうしたうちに

熨斗鮑を簡略化された黄色い紙が使われることになってきました。

そして現在の黄色い紙を長六角形の色紙で包んだ形状

をしているものやその形状を印刷されたものになっていったのです。

 

 

■熨斗紙(のしがみ)とは?熨斗との違い!



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現在、お店で商品を購入した時に

「熨斗(のし)はどうされますか?」ときかれるのは

ほとんど熨斗紙のことをいっています。

熨斗紙は、

熨斗・水引・掛け紙を組み合わせて印刷してあるものです。

 

古来より贈答品には贈る理由・贈り主を書き入れた「掛け紙」をかけ、

「水引」でくくり、「掛け紙」の右肩に「熨斗(のし)」を添えて贈っていました。

熨斗(のし)は、右上にある熨斗鮑の飾り部分のことのみのことでした。

しかし最近は、

熨斗紙のことをたんに「のし」といったことばで使われていることも多いでのす。

 

■水引(みずひき)とは?

「水引」は、贈る品物などをしっかり結びとめるものといいましたが、

けがれのないものを贈るという意味もあります。

使われる色は、

白、

赤、

金、

銀、

黒、

などがありますが、

熨斗紙(のしがみ)にされているのは通常、

慶事一般に使われる紅白、

弔事一般に使われる黒白、黄白

結び方は、

「結びきり」

「蝶蝶結び」

があります。

 

 

■熨斗(のし)が書かれていなくても熨斗紙(のしがみ)?

水引と熨斗(のし)かけ紙を印刷した、熨斗(のし)紙をつかうことで

水引や熨斗(のし)をつけていなくても、

紙で包んだつもり、のしをつけた日本本来の贈答のしきたりの

簡略として

「改まった清らかな気持ちでお贈りします」

という贈る人の気持ちを表しているのです。

店やデパートで買う贈答品は

この熨斗紙をかける場合がほとんどですね。

といったことから

熨斗(のし)紙は

包む手間と時間を省くための略式の贈答体裁なのです。

しかし、「熨斗(のし)」には先程いったように

お祝い事の必需品と説明したように喜ばしい儀式のものです。

ですので、

弔事の贈答品に使用する掛け紙には「熨斗」は描かれていません

しかし「熨斗」が描かれていなくても、

便宜上「弔事用のし紙」の名称で出回っています。

ですので、「熨斗はどうしますか?」

と聞かれた時には、

熨斗が書かれていない

「弔事用のし紙(熨斗が書かれていない掛け紙)」のことも含まれている

ということになっています。

こういった「熨斗紙」と言っているが、「のし」がついていないものもあるといったことです。

 

■熨斗紙(のしがみ)は生ものにはつけない!



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また、熨斗紙は生ものには付けないのが本来の形です。

熨斗は、もともとは「のし鮑(あわび)」であわび貝を薄くのして干したものだということでした。

そういったことで、熨斗は生ものの象徴でした。

これを贈答品の包装の上から右肩に熨斗を貼ることで

「生ものを添えました」という意味になるのです。

ですので熨斗は、生もの以外の贈りもの、

例えば反物や陶器、装飾品などの贈りものには熨斗を貼るのがしきたりです。

そういったことから

生ものを贈るのに生ものを添えましたというのはおかしいので、

鰹節や鮮魚などの生鮮品などの贈りものには熨斗は不要なのです。

また、当然のように生ものを供えてはいけない仏前へのお供え物にも熨斗は不要です。

 

 

内熨斗と外熨斗の違いと使い分け

■内熨斗(うちのし)

「内のし」とは、商品、贈答品に直接のし紙をかけ、

そしてその上から包装紙で包むという方法です。

包装紙の内側にのし紙があるということです。

ですので

外から見るとのし紙はもちろんみえません

 

■外のし

「外のし」とは、商品、贈答品をまず包装紙で包み

その後からのし紙を付けるということです

上からのし紙を付けるということで

包装紙をあけなくても、のし紙がみえています

 

■内熨斗と外熨斗の違いと使い分け方

ことばのとおり、内側につけられた、

のし紙の「表書き」が見えない状態だということがわかりました。

といったことから

「内のし」は、慶事や内祝い等の控えめなものに向いているとされています。

また、手渡しではなく宅配便などをする際などは、

「内のし」にしないとのし紙が傷ついてしまうといったことがあります。

ですので、

「内のし」にするのは、

お中元や結婚の引き出物や出産などの

お祝い事やお祝いを頂いたときにお返しする内祝いのときなどです。

贈答品があくまで大げさではなく、

内がわに熨斗をつけることで少し奥ゆかしさがでるといったこともあります。

「外のし」は、外側につけられている熨斗(のし)ですので、

「表書き」もしっかりみえます。

といったから誰にでもみえるようにした方がいいとき、

すなわち

四十九日やお盆のような

法要・法事、もしくはお葬式などでのお供え物のときには、

「外のし」にする方がいいといわれています。

これは、いろんな方からのお供え物があつまったときなど、

誰から何を頂いたのか包装の上からわかるといったことが理由です。

といったことから

「内のし」にするのは、

お祝い事などや内祝いや郵便や宅急便などで

直接手渡ししない贈答品、

「外のし」にするのは、

お供え物などで手渡しでぱっとみて

誰から頂いたものかがわかったほうが都合がいい時

といったことになります。

■内のしと外のしは地域によって違う?

そういった使い方の違いの「内のし」と「外のし」ですが、

地域によっても使い方に差があるそうです。

大きくわかれるとすると関東と関西での違いです。

関西が「内のし」が多いといったことです。

こまかくいうと、地域の土地の風習にもよるところもあるといったこと

ですのでその土地土地に合わせる方がいいですね。

 

ま と め

内のしと外のしの違いと使い分け方をみていきました。

そもそもの熨斗とは?からみていくと

熨斗が書かれてない熨斗紙の「弔事用のし紙」いったものあることもわかりました。

お中元や結婚の引き出物、出産祝い等は「内のし」が多い理由

お供えは「外のし」は使われていることが多い理由もわかったかと思います。

熨斗(のし)をつけるというのは、日本の贈答の古来からの風習ともいえるものです。

こういった習慣も、現在ではずいぶん変化している部分もあります。

せっかく気持ちを込めて商品を贈るときなどは、

古いしきたりや正しい知識として知っておくとことによって贈る相手に失礼のないようにしたいですね。