ことばの意味や使い方

「おざなり」と「なおざり」意味の違いとは?使い方例文と漢字・類語

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「おざなりになる」や「なおざりになる」という場合どちらの言葉を使っていますか?

「おざなり」と「なおざり」は、「おざなりにする」「なおざりの○○○」やなんとなく両方よく使っている言葉ですが、「漢字や意味の違いは?」となると「???」となってしまう言葉ではないでしょうか?

「おざなり」と「なおざり」とは、どう意味が違うのでしょうか?

今回は、「おざなり」と「なおざり」意味の違いとは?や使い方例文と漢字・類語などをまとめてみました。

 



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「おざなり」と「なおざり」の意味の違いと漢字

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■「おざなり」や「なおざり」の共通の意味

「おざなりになる」や「なおざりになる」と使うことが多い

「おざなり」や「なおざり」の両方に共通している意味は、

「いいかげん」といった意味です。

「おざなり」や「なおざり」はどちらも「いいかげん」なのです。

ではどこがどう「いいかげん」なのかそれによって意味の違い、使い方の違いがでてきます。

では違いを語源からみていきたいと思います。
 

■「おざなり」や「なおざり」の語源と漢字

 
「おざなり」と「なおざり」のそれぞれの語源は違います。
 

「おざなり」語源・漢字

「おざなり」の語源は、

「御座(敷)の形なり」を縮めたものです。

この言葉は、もともと江戸時代の後期19世紀初め頃芸者などが客によって扱いを変えたり、宴会の席であるお座敷での表面上の形ばかりの体裁を繕ったときに使われた始めた隠語です。

そういった語源からきている「おざなり」の意味は、いいかげんに物事をすませることといった意味やその場だけの間に合わせといった意味になります。

ですので、「おざなり」を漢字で書くと「御座なり」「お座なり」になります。

 

「なおざり」語源・漢字

また、

「なおざり」の語源は、もう少し歴史の古い時代にさかのぼります。

「なおざり」という言葉は、10世紀には使用例が見られます。

この「なおざり」の語源にはいくつかの説があります。

そのひとつは、

「なほ(直・猶)+ざり」というものです。

「なほ」は「そのまま何もせず以前の状態を引き続いていること」、

「ざり」は、係助詞「そ」に動詞がついた「あり」の「ぞあり」

となります。

また、「ざり」を「去り」「避り」だとして、

「遠ざける」「手を打たず避けてほっておく」という意味があります。

いくつかの諸説はありますが、

どちらにしても「なおざり」は

何もしないで距離を置いておく、ほっておく」といった意味があります。

そもそもの意味の「たいして気にもとめない」といった意味が転じて「本当に気にしていない」「おろそかにする」といった意味になって「いい加減にしておく」「真剣でない」といったニュアンスがでています。

「なおざり」の漢字は、「等閑」ですがこれは同義語の漢語「とうかん」をあてたものです。

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■「おざなり」「なおざり」意味の違い

「おざなり」「なおざり」の語源をみていくと意味の違いがはっきりでてきますね。

現代語として考えた場合、両方に共通している部分は、「いい加減な対応だ」ということでしたが、

「おざなり」「なおざり」違いの部分をわかりやすく整理すると、

 

「おざなり」意味は、

いい加減に物事をすること、その場のがれで誠意のないさま

「なおざり」意味は、

あまり注意を払わないさま、いい加減にするさま、おろそか

です。

どちらも「いい加減」という意味ではあるが、

「おざなり」は、

「その場に合わせた対応、間に合わせのことをする」

といったニュアンスがあり、

「投げやりで不十分に物事を行うこと。」を表します。

 

「なおざり」は、

「そもそも物事を軽くみていたり、興味がそもそもないのでなにもせずに放っておく。

 

といった違いがあります。

「おざなり」の意味のポイントは

「いい加減ではあるにせよ、何らかの対応をする」

といったなんだかの着手、行動をとっているかといった点

そして、

「なおざり」の意味のポイントは

「いい加減だし、何の対応もしない」

着手や行動もとっていないといった点

になります。

 

「おざなり」と「なおざり」の使い方・例文



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では、「おざなり」「なおざり」使い方や例文をみていきます。
 

■「おざなり」「なおざり」の使い方の注意点

  • 作業をおざなりにする
  • 作業をなおざりにする

こういった使い方をしますね。

この意味は、さきほどからみてきたように

「おざなり」の場合は、いい加減ではあってもひとまず作業をする、という意味です。

そして「なおざり」の場合は、作業はほとんどしないという意味になります。

ですので、

おざなりな教育をする。」

のように「いい加減な教育を施す」といった意味の使い方ができますが、

なおざりな教育をする。」

といった言い方は、「そもそも何もしないという教育を施す」ということになってしまいますのでそのような使い方はできません。

こういったことで意味の違いがしっかりわかれば

使い方もよくわかると思います。
 

■「おざなり」の例文

「おざなりの計画でその場を取り繕う。」

「上司に相談に行ったが、おざなりなことを言うばかりで話にならない。」

「正社員でないからとおざなりな報告で済まさない。」

「たとえ窮状を訴えても役所はおざなりのことしか言わない。」
 

■「なおざり」の例文

「彼女は仕事もなおざりに帰っていった。」

「彼は遅刻しても理由もなおざりにしたままです。」

「彼は謝罪もなおざりだ。」

こんな感じでこれまでの意味の違いを考えていくつか文を考えてみてもいいですね。
 
 

「おざなり」と「なおざり」の類語

「おざなり」の類語は、

「場当たり」、「その場限り」、「一時凌ぎ」、「出たとこ勝負」 、「成り行きまかせ」、「急場凌ぎ」

「なおざり」の類語は、

「不履行」、「怠る」、「疎かにする」、「ぞんざいな」 、「不行使」、「ないがしろ」

 

それぞれそのような言葉があります。
 
 

ま と め

「おざなり」と「なおざり」意味の違いとは?や使い方例文と漢字・類語などをお伝えしました。

「おざなり」と「なおざり」の共通の意味は、どちらも「いい加減」という意味があるということです。

そして、「おざなり」はいい加減だが何かしらの行動はしているということ「なおざり」はいい加減であるし、そもそも何もしないということです。

今までなんとなく、使っていた「おざなり」と「なおざり」ですが、語源も違いました。

語源と「御座なり(おざなり)」「等閑(なおざり)」と漢字をセットで覚える方が意味の違いをわすれずに覚えられると思います。

共通の意味もあるので混同しやすいですが、意味の違いもしっかりわかったうえで使い分けれるようにしたいですね。