「年のはじめに」、「仕事はじめ」、「社長をはじめとして」など、
「はじめ」という言葉はよく使われる言葉です。
漢字は「初め」と「始め」がありますが、意味の違いと使い分け方は意外と難しく、
言葉ではよく使うものの、
文章に書く時にどちらの「はじめ」を使えばいいかわからずに悩む時があります。
では、「初め」と「始め」は何が違うのでしょうか。
「初め」「始め」意味の違いや使い分け方や「年のはじめに」の漢字や「まずはじめに」というのは間違いかなど
いざ、使うときに疑問に思うことを見ていきたいと思います。
「初め」の意味と使い方?
まず、「初め」の意味は、
「時間的に早い段階」や
「順序の1番目」、
「最初」
など時間的な意味合いが
多くあります。
英語にするなら
「first」と同様の意味です。
そのため、使い方としては
・月初め
・年の初め
・「初めまして」(初めての人と会った時)
・初めに一言断りますが
などがあります。
「始め」の意味と使い方は?
「始め」の意味は、
「開始」や
「着手する」
などの行動に対しての意味合いがあります。
英語で表すなら
「start」、
「beginning」
といった形になります。
使い方は
・運動を始める
・手始めに
・始めからやり直す
などがあります。
さらに「始め」には
「第1のものとして」、
「物事の始まりとして」
という意味合いもあります。
その意味での使い方としては
・社長を始めとして
・父を始めとして
などがあります。
会社の場合、
社長が一番偉いので順序の1番目として
「社長を初めとして」と考えがちですが、
実は違います。
「社長をはじめとして」
というのは
「社長を始まりとして」
という意味合いなので
正しくは
「社長を始めとして」
となるのです。
「初め」と「始め」の違いと使い分け方!
「初め」と「始め」意味のと使い方をみてみましたが、
いまひとつ使い分け方や違いがわかりにくいと思います。
もう一度意味を簡単に比べてみると
「初め」は、時間的な意味で使われる「はじめ」。
「始め」は、行動的な意味で使われる「はじめ」
でした。
その違い何からくるのかというと
「初め」はもとから名詞であること。
「始め」は「始める」の動詞からの転用だということ。
です。
ですので「始め」は行動的意味合いがあり、
何かをはじめることや
物事の起こりなどに使うのです。
「初め」と「始め」の使い分け方は、
名詞として使うか動詞として使えるのかといったことで考えると
違いがわかりやすいかと思います。
■「仕事はじめ」の漢字
ちなみに新年が明けての
「仕事はじめ」の漢字も「仕事初め」と書く方もおられますが、
「仕事始め」が正しい漢字の使い方です。
その年の最初の仕事といったことではなく、
一年の始まりの仕事であるといった意味で使っているからです。
仕事が始まった段階ということです。
■「はじめから終わりまで」の漢字
「はじめから終わりまで」
の「はじめ」は
「始め」「初め」どちらの場合もあります。
「はじめる」行動からなのか
「最初」からなのかの意味合いにより使い分けます。
「まずはじめに」は間違い?
「初めに」・「始めに」の意味や使い方が
わかったところで気になる言葉があります。
それが「まずはじめに」です。
「まずはじめに」とはよく言いがち、
もしくはよく聞く言葉です。
しかし、
「まず」という言葉は
「最初に」という意味があります。
そして、
「はじめ」にも「最初に」
という意味合いがあります。
つまりこれは
重複表現で間違いではないのでしょうか。
ですので
「まずはじめに」という言葉は
日本語としては正しくはありません。
しかし、
「まずはじめに」は、
現在は、当たり前のように使われています。
間違えやすい言葉としては、
「一番最初」や
「後で後悔する」
もあります。
これらも意味が同じ言葉でできている重複表現なのです。
どれも誰もが耳にしたことがあることばなのではないでしょうか。
また、長い年月にわたって慣用的に使われてきたことで
違和感を感じにくくなってきてもいます。
最近は強調という意味合いで二重にしているのであれば、
OKのような雰囲気もあります。
つまり、
厳密に言えば間違いなのですが、
世間に受け入れられれば慣用句として成り立つ可能性もあることばだということです。
ま と め
このように「はじめ」は「初め」と「始め」があり、どちらを使うか悩みがちです。
しかし、「初め」は時間的な意味合いがあり、
「始め」には行動や第1のものとしての意味合いがあります。
そのため、意味と名詞の使い方なのか。
動詞としてはどうかと考えるとどちらが適切かわかりやすいです。
さらによく言いがちな「まずはじめに」は日本語としては重複表現であり本来は、
正しくないことばであるということも知っておいてもいいですね。